《 9月23日 今日は何の日? 》

 「秋分(しゅうぶん)」

二十四節気の第16番目の節気。昼と夜の長さがほぼ等しいが厳密には昼が若干長い。現行暦9月内、旧暦8月内。現在広く採用される定気法では、太陽が秋分点を通過した瞬間の太陽黄経が180度になったとき(黄道十二宮では天秤宮の原点に相当)で、9月23日ごろである。

春分と同様に、秋分では昼夜の長さが等しくなる。『暦便覧』では「陰陽の中分なれば也」と説明している。しかし、実際には、昼の方が夜よりも長い。日本付近では、年による差もあるが、平均すれば昼が夜よりも約14分長い。また、この日をはさんで前後7日間が秋の彼岸である。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

<秋の彼岸>

 今日は「秋分の日」。秋の彼岸は、秋分の日と前後3日間を合わせた7日間のことを指し、ちょうど真ん中の秋分の日を「彼岸の中日」と呼びます。

 この彼岸の中日には春でも秋でも、モチ米を蒸して餡子でくるんだものが行事食として登場します。春のお彼岸では「ぼたもち」、そして秋には「おはぎ」と呼ばれ、その由来は諸説ありますが、春に咲く「牡丹」、秋に咲く「萩」の花になぞらえているという説が一般的です。

 さて、この秋の彼岸の時期に赤く鮮やかに咲き誇るのが「ヒガンバナ」です。ヒガンバナは赤い花を意味するマンジュシャゲ(曼珠沙華)の別名がありますが、本来、語源となったサンスクリット語の「マンジューシャカ」は別の植物を指すのだそう。里山の方に行くと田んぼの土手などに群生しているのを見ることができますが、これは自生しているのではなく人の手で植えられたもので、その毒性からモグラやネズミ除けのために植えられたと言われており、鱗茎をすりつぶして糊状にしたものは防虫の目的で衣類や襖の下張りなどに用いられていたこともあるようです。

実はこれには別の説もあります。ヒガンバナは有毒植物ですが、鱗茎をすりつぶして水にさらし毒抜きをすると食べられるため、飢饉の時などの「救荒植物」として植えられていたというもので、日本には縄文時代に食用として中国から渡来したとも考えられています。昔は田んぼの土手などに「畔豆」(あぜまめ)と称して大豆(枝豆)を植える習慣があったので、この説もあながち間違いではないのかもしれません。

 このヒガンバナですが、多くのアルカロイドが含まれており、誤って食べると嘔吐、下痢、流涎、神経麻痺などの症状が現れます。しかしながら有毒植物は往々にして薬としての一面も持ち、含まれるアルカロイドには鎮痛、降圧、催吐、去痰などの薬効作用があります。なかでもリコリンはアメーバ赤痢や喀痰の治療薬、ガランタミンは小児麻痺後遺症、アルツハイマー病の治療薬として利用されています。

 生薬としての名前は「石蒜」(せきそう)。日本でも中国でも専ら民間療法として用いられていて、鱗茎をすりおろしたものを肩こりや乳腺炎、乳房痛などの湿布薬としていたようです。また浮腫に対して、石蒜を唐胡麻(別名:ヒマ、ヒマの種子を絞ったものが「ひまし油」)と混ぜたものをすりおろして足裏の涌泉穴に塗布するとよいと言われています。

(参考)スカイワードプラス(ホームページ)、漢方生薬辞典(ホームページ)、「ことばの歳時記」(金田一春彦)

※この内容の意見や見解は、あくまで書き手個人のものであり、

日本鍼灸師会または役員の見解や意見を代表するものではありません。

~日本鍼灸師会より~

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白露

《 9月8日 今日は何の日? 》

 「白露(はくろ)」

二十四節気の第15。八月節(旧暦7月後半から8月前半)。

現在広まっている定気法では太陽黄経が165度のとき、9月8日ごろで、この日から次の節気の秋分前日までを指す。季節としては、大気が冷えてきて、露ができ始めるころ。『暦便覧』では、「陰気やうやく重りて、露にごりて白色となれば也」と説明している。出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

<放生会>

 今年は梅雨明け宣言が早かったせいか、夏が長く感じて暑さもことさら体に堪えましたね。9月に入りやっと秋の気配を感じるようになってきましたが、この秋の到来を感じさせるお祭りに「放生会」(ほうじょうえ)があります。

 この放生会は文字通り「生けるを放つこと」を意味し、仏教の殺生戒に基づいた行事で、古くは中国の天台宗開祖が行なったと伝えられており、日本では『日本書紀』のなかで、天武天皇が「諸国に詔(みことのり)して放生せしむ」とあるのが歴史上の初見となります。各地の寺院のほか、八幡神をまつる神社を中心に行なわれており、大分県宇佐市の宇佐神宮や京都府八幡市の石清水八幡宮、そして福岡県福岡市の筥崎宮の放生会がよく知られています。宇佐神宮の放生会は、養老4(720)年に反乱を起こして鎮圧された隼人(南九州の部族)の怨霊をしずめるため、八幡神の託宣により天平16(744)年に始まったと伝えられ、そこから全国の八幡宮に広まったと考えられています。

 さて、この放生会。もともとは供養のために、捕らえた魚や鳥などの生物を池や野に放してやる行事で、例えば宇佐神宮の仲秋祭(放生会)では、祭典直前に世襲の蜷(ニナ…巻貝の一種)職(蜷木家)により集められた蜷や蛤を、葦で編んだ葦苞(アシヅト)と呼ばれる包に納め、仲秋祭(大祭)に供え、その後、寄藻川河口の船上にて行われる放生式において、神職の手により河中へ放たれるといった由緒正しき伝統神事が行われているようです。

 私が住んでいる福岡市にある筥崎宮で開催される放生会(福岡ではほうじょうやと読みます!)では、宇佐神宮のそれとはまた趣が異なり神事的な雰囲気はみじんもありません。私がまだ小さかったころ、参道には所狭しと出店や怪しげな見世物小屋が並び、子ども心にドキドキしたものでした。現在、見世物小屋はほとんど姿を消したものの、「葉付きの新生姜」や「博多ちゃんぽん」(食べ物ではありません!長崎ビードロのような吹いて音を鳴らすガラス製品)、「放生会おはじき」といった縁起物の露店はまだ健在で、それを買い求める人々で賑わっています。ここ2年くらいはコロナ禍の影響で中止に追い込まれる事態になり淋しい状況でしたが、今年は3年ぶりに通常開催されるようです。

 放生会は全国の八幡宮で行われていますので、皆様も浴衣でも着て地元のお祭りに出かけてみませんか?もちろん、感染防止対策は十分に行った上で…です。

(参考)日本大百科全書(ニッポニカ)、「ことばの歳時記」(金田一春彦)、宇佐市ホームページ ※この内容の意見や見解は、あくまで書き手個人のものであり、

日本鍼灸師会または役員の見解や意見を代表するものではありません。

~日本鍼灸師会より~

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