
~「五行の色体表」自然界の事象と人体を5つに分類したもの~
東洋医学では立冬(11月7日)からの3ヵ月「冬」となり万物が落ち着く陰気の季節です。
五行では「水」で、水は命の泉・生物の命の源、潤したり冷やす作用があります。
<「腎」の働き>
◎父母から受け継いだ先天の精は腎に内蔵されている
●腎は精を蔵し、生命力の根源である原気(=元気)(両親から受け継いだ生命活動の原動力、食欲・性欲・その他生きようとする欲求)をもたらす
・先天の精は飲食物から造られる後天の精によって常に補充されている
・精は生命力・成長・生殖力の根源である
・人間は、腎の働きが盛んになるにつれて成長し、生殖能力を生み出す
・腎精が充実していれば元気(基礎活力)も盛んで活動的で、疾病にもかかりにくく、また根気がいる細かい作業をやり抜きとおす力も湧いてくる(作強の官)
●腎は水の蔵、津液(体内の水分)を主り、全身の水分代謝を調整する
●腎は骨を主り、その状態は髪に反映する
・腎精は髄を生育→髄は骨の中にあり骨に栄養を与えている→腎が正常であれば精が十分あり髄が充実→骨も歯も丈夫で、髪も黒々とつややかでよく伸びる
●腎は耳と二陰(前陰=小便口、後陰=大便口)に開竅する
・腎は耳を通して外界と交流している、腎精がしっかりしていれば耳は音声をよく聞き分けて判断できる
・腎は水分を調節し、調節した結果が大小便となって体外へ排出される(大小便の異常は腎の異常)
●腎は納気を主る
・これは深い呼吸に関わるもので、吸気を臍下丹田まで取り入れて→精を元気に化し→これを活性化する
<「腎」の働きが不健全になると>
●腎気が衰えると元気がなくなり活動が低下し、身体が冷える
●生殖能力も低下し、疾病にかかりやすく治りにくくなり、様々の老化現象を呈する
●水分調節がうまくいかなくなると、浮腫・尿閉・頻尿・下痢などが症状が現れる
●腎精が不足したり老化により衰えると、発育不良や老化に伴う歯の異常・骨がもろい・腰が曲がる・白髪・脱毛・難聴・耳鳴り・浅い呼吸・呼吸困難などの症状が現れる
●足腰が衰え腰下肢痛になる(脊柱管狭窄症、末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化症)、腰椎椎間板ヘルニア)
●腎の機能が低下するとびくびくしたりおどおど怖がるようになる(恐)
※加齢とともに腎精は衰える傾向にあります(20代がピーク)。女性は7の倍数、男性は8の倍数で身体が変化していきます(例えば女性7×7=49歳閉経、男性8×6=48歳白髪が目立ち肉体的な衰えが始まる)
<「冬」「腎」の養生>
●陽気が抑えられる陰気の季節なので、ゆっくりと落ち着いて過ごしエネルギーを蓄える
●冷えることで風邪・関節痛・筋肉痛・胃腸炎・胸痛などの症状が起こるため、冷やさないようにする
・温かい食べ物・飲み物
・暖かい服装(手袋、マフラー、マスク)
・湯船に入る
・適度な運動をする(ストレッチや軽めの運動)
●黒い食べ物をとる
・黒豆
・黒ゴマ
・きくらげ
●鹹味(カンミ)のもの(自然の塩辛いもの)
※鹹味は東洋医学ではミネラルと言われています
・昆布
・海苔
・ひじき
・さば
・栗
・味噌
※「腎」タイプの人は、生まれつき身体が細く、顔色が黒っぽく、寒いのが苦手で、慢性腰痛や難聴・耳鳴りなどの症状が現れます。温和で固定観念に縛られないため想像力や発想力が豊かです。歯や骨が強く髪が黒々としている人は腎精が盛んです。
腎虚はこちら→「腎虚の原因」
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